ある時、窓の外から通りを走る車の音、近くの雑木林でさえずる鳥の鳴き声、そしてたったいま自分が奏でた響きを聴いた
それぞれの音は干渉せず、独立してはいるものの、私の耳はそれをひとつの響きとしても聴こうとしていた、そしてその行為は放ろがりのある空間を創りだしていた
音はそこかしこで響き、
世界は成り立っていた
MSMCシステムは、複数の音素材をそれぞれ独立したサイクルのまま、空間に展開・設置し、その場に全体として現れる音像を造形していく
複数の音源が繰り返されるため一定のイメージを保ちつつ、常に瞬間的な組み合わせが変化するため風景の様な性質の音響を生み出す